ヴィオリスト 中村洋乃理さんへのインタビュー

今回のシュタフィルのコンサートでは、NHK交響楽団ヴィオラ奏者の中村洋乃理さんを首席客演奏者にお迎えします!

そこで、中村さんに今回のプログラムについて、オーケストラで演奏する際に意識されていること、またお仕事やプライベートについてなど、貴重なお話しをうかがってきました。

今回の演奏曲についてのエピソードやプログラムの印象を教えて下さい。


 メインのベートーヴェンについては、オーケストラに入ってすぐベートーヴェンチクルスをやる機会がありました。その後もよくチクルスで弾くことがあって、年一回は必ず弾いてますが、9曲の中ではホッとする曲、というイメージがあります。

 ちなみに初めてのチクルスを演奏した時、第九のある箇所でヴィオラが入るところで上手く動くことができず、初めてオーケストラで演奏することが怖いと感じました。何度も演奏している曲なので少し油断があったのかもしれません…その時に今後はこのようなことがないよう、本番で恐れず迷わずに演奏するための準備をしっかりしようと心に誓いました。その時があるからこそ今があるのだと感じていますし、その経験はベートーヴェンという作曲家の偉大さ故なのかなと思っています。

 話がずれてしまいましたが、今回のプログラムは、メジャーな曲が並んでいるわけではないですが、オーケストラにとっては実力が試される曲ばかりですし、練習で作り上げたことがちゃんとお客さんに伝わる、良いプログラムだと思います。お客さんに印象付けて、次また来たいと思って頂けるような演奏を皆で作り上げたいですね。


古典音楽を演奏する上で、意識されていることは何かありますか?


 大編成の曲とは異なり、音も少なく、和声進行もシンプルなので、まずオーケストラとして音がまとまっていることが求められます。その上でさらにより良い演奏にするためには、1つ1つの音の意味を想像することがとても大切だと考えています。シンプルなものだからこそ、瞬間瞬間に鳴っている和声やメロディを深めていかないと魅力ある演奏にはなりません。

 ただ、その解釈については必ずしも全員が全く同じでなくてもいいんじゃないかと思っています。方向性は揃えながらも、1人1人が考えて自分なりのイメージを持って演奏に臨むことで、より豊かな音楽になると思います。そういったことを積み重ねることで「シュタールフィルの音」を作っていきたいなと思います。


オーケストラで演奏することが昔からの夢であったという記事を拝見したのですが、そのきっかけとオーケストラならではの魅力だと考えられていることはありますか?


 ジュニアオケの時に皆で演奏した時に楽しいと感じたことがきっかけで、オーケストラに興味を持ちました。

 今でも単純に人と演奏することは好きですが、最近は、多くの人の個性がぶつかり合いながら演奏できることにも、非常に魅力を感じています。また、自分にないところを持っているメンバーから学べることも沢山ありますし、オーケストラで演奏することは上手くなる近道なのではないかと思います。みんなとオーケストラの音を作っていけるのを楽しみにしています。


普段のお仕事のスケジュール感や、活動されている内容を教えて下さい。


 自分のツイッターで確認してみたんですが、昨年はN響で80回程度、それ以外で40回程度演奏会に出演していました。N響では基本練習3日・本番2日というスケジュールで動いています。N響以外の活動としては、ヴィオラカルテット・室内楽、N響以外のオケに呼んでいただいて弾いています。


オーケストラでの首席・副主席の役割はどのように考えられていますか?


 首席は音楽的なことについての舵取りの役割が大きいと考えています。あとは誰よりも音楽を知っていること。副主席として演奏する時は、首席の演奏から、後ろのプルトのメンバーに伝えるべきことを伝達できる様に意識しています。特にヴィオラの場合は首席の左手の動きなどは後ろは死角になって見えません。そういった動きを後ろに伝える役割があるかなと思っています。

プライベートについてもお伺いしたいと思います。音楽以外の趣味や休日の過ごし方も教えていただけますか?


 あまりこれといった趣味はないんですが強いて言えば旅行かなぁ。プライベートの旅行では、娘が温泉好きなので、家族でよく温泉に行きます。演奏家は家にいても練習したりして仕事モードだったりするので、そういった場所に行くことでホッとできるなと感じています。演奏旅行の機会も結構ありますが、それぞれの土地でお客さんの雰囲気も違いますし、何よりご当地グルメを頂けるのが楽しみの1つになっています。

 休日は娘と遊ぶことが多いです。あとはラーメンが好きなので、よく食べに行ったり…なんか食べることばっかりだな(笑)。たださっきも言ったように休みの日も結局、音楽のことは考えていて…そういう意味では演奏会にも、自主公演など自分たちのやりたいことを自由にやる演奏会があって、それを趣味というのかも。


このオーケストラに期待することや、アマチュアとして活動する我々へのメッセージをいただけますか?


 自分も心がけていることですが、せっかくやるのだから1つの本番で一生に活かせることを何か1個は掴んで、それを積み重ねて欲しいと思います。これからみんなとシュタフィルの音を作っていけるのを楽しみにいています。


中村 洋乃理(なかむら ひろのり)


岡山県笠岡市生まれ。愛知県立芸術大学を経て、東京藝術大学大学院研究科修士課程修了。第8回日本演奏家コンクール最高位受賞。2011年国際音楽祭「ヤング・プラハ」に招かれチェコ各地にて演奏。

2007年から2014年まで東京フィルハーモニー交響楽団フォアシュピーラーを務めた。2015年NHK交響楽団入団。現在、次席奏者。

ヴィオラ四重奏団 Alto de Campagne、パルテンツァ五重奏団、ナガノチェンバーオーケストラメンバー、横浜シンフォニエッタシーズンメンバー。



シュタール・フィルハーモニー管弦楽団

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